「環境認識で上手くシナリオが立てられない」
こういう悩みを抱えている人が多いとはいうものの、シナリオという言葉のイメージに惑わされて複雑に考えてしまっている側面もあるのではないでしょうか。
チャートの右側がどうなるのかということは誰にも分からないわけで、Aの次はB、Bの次はCというように綺麗に型にハマる方が稀なのが現実。
そこでシナリオ通りになることを目的としてしまうと、トレードの本質から外れてしまいます。
相場と向き合う目的は、チャートの形を綺麗に当てることではなく、相場から利益を抜き取ることですよね。
この記事では、一貫した基準を持ってチャートと向き合うために、日々どのようにシナリオを立てていけばいいのかということを詳しく解説していきますので、ぜひ参考にしてください。
FXの環境認識でシナリオ作りの前提となる考え方
FXの環境認識でシナリオを立てる上で前提となる考え方をまずお話すると、それは分からないことを分からないと認識することが大切だということ。
つまり、FXは投資ではなく優位性が高い機会に乗じる投機である以上、その優位性が高いポイント、瞬間を見極めることが大切で、その見極めができないシチュエーションではトレードしないことで資金を守ることが非常に重要になってきます。
なので、チャートを見た時に分からないと認識したのであれば、あなたにとって優位性が高い場面ではないと確定したわけですから、チャートをこねくり回してチャンスを探すようなことは絶対にやめましょう。
繰り返しますが、分からないことを分からないと判断できることも立派なというか十分な環境認識ですから、チャートを読み解けないからといって出口のない迷路に迷い込むことがないようにあなたの環境認識に自信を持ってくださいね。
FXの環境認識でシナリオ作り5つのポイント
では次に、FXの環境認識でどういう要素をポイントにシナリオを作っていくのかをお話していきます。
ポイント① 月足・週足は超重要
日足より下位足を見る人は多くても、月足と週足を日々の環境認識でチェックしている人はかなり少数派なのではないでしょうか。
月足と週足を見る重要性を端的に表現するのであれば、日足が重要であるならば、週足は超重要、月足は超々重要だということ。
下位足でどれだけ動こうが、結局は上位足の中に内包されるわけですから、その上位足が陽線と陰線のどちらになるのかといった大局的な環境を把握していることは本当に重要です。
マルチタイムフレーム分析を突き詰めていくと、上か下のどちらかに大きく動くという完全2択の場面を見極めていく経験が増えていきますが、こういう場面で重要になってくるのが、この月足と週足。
大局的な環境を味方につけるためにも、日々の環境認識に月足と週足を取り入れ、シナリオ作成に活かしていきましょう。
ポイント② 全ての時間足でダウ理論をチェックすること
- 相場参加者全員の共通ルールがダウ理論であること。
- 全ての時間足には、その時間足を主戦場とするトレーダーがいること。
この2つの理由によって、ダウ理論は全ての時間足で機能します。
あなたが日常的に監視している全ての時間足で、まずはダウ理論の高値安値が存在しているのかを確認しましょう。
ポイント③ 水平線は上位足で引くこと
上位足よりも下位足の方が値動きに与える影響が大きいことと同じで、水平線もそれに従って機能します。
あなたの執行時間足が4時間足、1時間足、15分足、5分足、1分足のいずれかであっても、月足、週足、日足の共通認識性が高い水平線を引けるようにしましょう。
ポイント④ マルチタイムフレーム分析
これについても、全ての時間足で状況を確認しましょう。
なぜなら、5分足で上昇トレンドが発生していても、1時間足でのそれはレンジの高値付近であるかもしれませんし、1時間足ではレンジ下限であっても4時間足では下降トレンドの真っ只中でレンジ戦略が機能しないかもしれないから。
どんな時間足でもあっても、全ての時間足の値動きが複雑に影響し合って値動きを作り出している構造背景を理解し、マルチタイムフレーム分析による環境認識をテクニカル分析のベースにすることをオススメします。
ポイント⑤ 高いリスクリワードを実現できるポイントの見極め
基本的には、勝率とリスクリワードは相反する要素ですが、勝率が高いポイントを見極めながら高いリスクリワードを実現できるセットアップが存在します。
そして、この高い勝率を維持しながら高いリスクリワードも同時に実現できるトレードをやりたいのであれば、マルチタイムフレーム分析による高精度な環境認識は必須。
逆に言えば、マルチタイムフレーム分析による高精度な環境認識ができれば、日常的に高勝率で高リスクリワードのトレードを実現できるということ。
私は最低でもリスクリワードリワード1:5以上でなければトレードしませんが、一般的にみれば十分過ぎるリスクリワードであっても勝率が5割を切ることはありません。
高いリスクリワードを実現することによって得ることができるメリットについて、一度じっくりと考えてみましょう。
まとめ
FXの環境認識で、シナリオを立てる上で前提となる考え方とシナリオ作りにおける5つのポイントをお話しました。
まずは、あなたのトレードコンセプトが当てはまるのかどうか、つまり、あなたにとって分かる場面なのか分からない場面なのかを厳密に判断できることが大切。
そして、分かる場面であった時に、今回お話したポイントをベースにあなたのセットアップの確度を上げるために必要な根拠を確認していくこと。
テクニカル分析は、複雑にしようと思えば際限なく複雑にできてしまいます。
あなたの中の一貫した基準をもとに、シンプルだけど磨き抜かれたトレードスタイルを確立していきましょう。