「マルチタイムフレーム分析を身につけることさえできれば・・・」
環境認識こそテクニカル分析で最も重要な要素であるということは、その環境認識の精度を極限まで高めることができるマルチタイムフレーム分析が重要だということは誰しもが思うところ。
しかし、マルチタイムフレーム分析をゼロから学ぶための特化した情報が皆無と言ってもいいのが現在のFX界隈ではないでしょうか。
私自身も厳密な根拠を持ったトレーディングをしたいと思ってからマルチタイムフレーム分析の存在を知り、その奥深さと崇高な技術に魅了され今日まで歩んできました。
しかし、マルチタイムフレーム分析の習得には手間も時間も非常にかかり、教える側にも相当な労力が要求されます。
それゆえマルチタイムフレーム分析に特化した学習材料がないことには十分納得できますし、だからこそマルチタイムフレーム分析を誰よりも追究しているトレーダーとして、このブログを通して一人でも多くのトレーダー志望の方に、マルチタイムフレーム分析習得のために必要な情報を発信しているんですね。
そしてこの記事では、マルチタイムフレーム分析の技術を習得したいけど、「初心者には難しいからやめた方がいい」と言われ、どうやって取り組んでいけばいいのか分からないというあなたのために、マルチタイムフレーム分析を学ぶ上で必要なお話をしていきますので、じっくりと読んでください。
初心者だからこそマルチタイムフレーム分析を学べ
まず結論からお話すると、初心者だからこそマルチタイムフレーム分析の学習に取り組むべき。
なぜなら、マルチタイムフレーム分析の習得には地道で相当な時間を必要とするため、一朝一夕には身につかないから。
マルチタイムフレーム分析を習得するための唯一であり絶対的な方法は、複数時間足のチャートをキャプチャした記録を作る中で、圧倒的な数のケーススタディを積み重ねるしかありません。
ローソク足が複数時間足で構成される以上、その組み合わせに全く同じものは存在しないため、チャートパターンの組み合わせを暗記で身につけようとするとドツボにハマります。
しかし、全く同じ組み合わせは存在しなくても似たような組み合わせは確実に存在しているため、その組み合わせが発生する環境や条件をケーススタディとして蓄積していくことが、あなただけのマルチタイムフレーム分析スキルとして少しずつでも確実に身についていきます。
ここまで読めばもうお分かりのように、これを教えようとすれば相当な労力を必要とするため、FX界隈にはマルチタイムフレーム分析に特化した教材や情報が私が知る限りでは存在しないんですね。
また、トレードノートをつけている方も多いのかと思いますが、その目的と役割をしっかりと理解した上で取り組むことが大切。
その具体的な理由を次にお話します。
マルチタイムフレーム分析を初心者が学ぶためにやるべきこと
マルチタイムフレーム分析を初心者が学ぶために今日からやるべきことは、複数時間足を表示させた画像の記録を作り、徹底的に言語化すること。
とにかく言語化にこだわってください。
なぜなら、人は言葉でこの世界を認識しているため、言語化できないということはその要素を認識できていないということだから。
ローソク足が羅列されただけのチャートを目の前にし、どれだけの要素を言語化できるのかを徹底的にやってみましょう。
当然、感覚ベースでなければ認識できない要素もありますが、初めからそれを言い訳にしてしまってはその時点で成長を放棄したも同然。
チャートをキャプチャした高精度な記録の積み重ね
この画像をご覧ください。
これは私の講座の第1期メンバー・kzさん(@kzFX111)が毎日作成している画像の記録です。
講座に参加した時は、まだトレードを始めてから1年も経っておらずパソコンもほとんど使えない状態であったのが、毎日チャートと向き合う中でここまでの言語化ができるようになりました。
この凄みは、あなたが実際にこれと同じことをやった時にありありと実感するでしょう。
大切なことなので何度もお伝えしますが、言語化の質自体がチャートという世界をあなたが認識している質と精度そのものです。
トレードノートの活用方法
これを踏まえて、トレードノートの活用方法についてお話します。
まず、先程のトレード記録を見て頂ければ分かるように、チャートのキャプチャ画像を克明に手書きで記すリソースは、あまりにも大きく非効率。
単一時間足でローソク足数本を記す程度ならいいかもしれませんが、そうは言ってもローソク足を緻密に分析する記録としては心もとないのが現実でしょう。
これはあくまで私のトレードノートの使い方ですが、基本的に瞬間的な気づきやアイデア、客観視したメンタルの状態などをタイムリーに書き記しています。
究極はキャプチャした画像に1つのトレードに関わる全ての情報を書き込めばいいのですが、それとは関係のないトレーダーとしての思考や行動を書き残していくことで、後々振り返った時に自分自身の傾向を掴むことができます。
私は、土日にその週のトレードの振り返りをしますが、トレードノートもその際に必ず先々週分まで遡って見直すようにし、自身の状態を全体の繋がりとして把握するようにしています。
人間という生き物は必ず「変化」しますから、その些細な兆候も見逃すことがないように驕らず弛まずフラットな状態を維持しながら相場と向き合うことが何よりも大切です。
高精度なキャプチャ記録と日常の息遣いを書き記すトレードノートを上手く使い分けていきましょう。
初心者がマルチタイムフレーム分析を学習する上でのポイント
では最後に、初心者がマルチタイムフレーム分析を実践していく上でのポイントを3つに絞ってお話します。
ポイント1 ダウ理論を正しく認識する
最終目標は、全ての時間足で正しく認識できることですが、まずは日足と4時間足での認識を高い精度でできるようにしましょう。
まずは、シンプルにこれを突き詰めることが近道。
何より優位性が高いプライスアクションは日足や4時間足レベルである場合が圧倒的に多く、水平線の設定も例に漏れません。
まずは日足、4時間足で共通認識性が高いダウ理論の高値と安値を正しく認識できるようにしましょう。
ポイント2 日足・4時間足で共通認識性が高い水平線を弾けるようにする
デイトレやスキャルピングであれば、1時間足や30分足、15分足で水平線を引く人が多いでしょうが、下位足での節目は機能する時も当然ありますが、日足や4時間足の水平線よりは明らかに優位性は劣ります。
下位足の水平線が効いた効かないを一喜一憂するのではなく、日足、4時間足で引いた水平線が機能したのかを検証した方が確実に実力がつくのでオススメ。
多くの人が勝てないことの理由の1つに過剰な取引回数がありますが、それは下位足で水平線を引きまくり自分本位にトレードチャンスを作り出していることに他なりません。
トレンド発生時の高値安値、レンジの基準となる高値安値に対してしっかりと水平線を引けるように技術を磨いていきましょう。
ポイント3 リスクリワード1:3以上のポイントの見極めができるようにする
一般的には、勝率とリスクリワードは相反する要素として存在していますが、勝率を維持しながら高いリスクリワードを実現できる場面というのは、その目を養うことができれば普通に見つけることができます。
勝率重視であればリスクリワードは1:1、良くて1:2でしょうが、まずは1:3以上を確保できるポイントが見極められるようにしましょう。
FXに取り組む人の割合として、少額から増やす(増やさなければならない)という人が多くの割合を占めていると思いますが、この高勝率&高リスクリワードレシオの場面を捉える技術を身につけることができれば、このnoteで解説しているような少額から利殖するというルーティンを築くことができます。
まとめ
技術習得に時間が必要なため、本格的に学ぶことを敬遠されがちなマルチタイムフレーム分析ですが、初心者だからこそ積極的に取り組んでいくべき。
横に目を向ければ、サインツールやコピートレードなどが溢れていますが、普遍的な技術を身につけることができれば、時間という概念を超えて相場から利殖を続けることができます。
目先の短期的な利益に目を奪われることなく、長期的な視点に立って学習を進めていきましょう。