環境認識

FXの環境認識でダウ理論の見方と使い方を徹底解説

「1つの時間足なら分かるけど、複数時間足での分析となると途端に分からなくなる。」
「成立するはずのダウ理論が全然成立しない。」

チャートと向き合っていれば、誰でも抱くこの悩み。

 

基本的には高値と安値を結ぶだけ、というシンプルなダウ理論ではあるものの、シンプルであるがゆえにそれが組み合わさると無限の複雑さとなって目の前に現れる。

 

でも、安心してください。

この記事では、無限の複雑さを呈するダウ理論を実戦レベルで読み解いていくための考え方を、どのブログよりも詳しく解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

FXの環境認識でダウ理論の基本原則

FXの環境認識でダウ理論の見方と使い方を学ぶ前に、まずはダウ理論の基本原則をおさらいしましょう。

 

〈ダウ理論・6つの基本原則〉

  1. 平均は全ての事象を織り込む。
  2. トレンドには3種類ある。
  3. 主要トレンドは3段階からなる。
  4. 平均は相互に確認されなければならない。
  5. トレンドは出来高でも確認されなければならない。
  6. トレンドは明確な転換シグナルが発生するまで継続する。

 

この中でも、特にデイトレーダーに深い関わりがあるものは⑥の

「トレンドは明確な転換シグナルが発生するまで継続する。」

 

この解釈については、ネット上の情報でも見解に若干の幅があるように感じているのですが、つまり「何を持ってそのトレンドが終了したとみなすのか」という点。

図1のように、値動きがが横ばいとなったり高値更新できなかった時点で、「トレンドの勢いが弱まった、または、そろそろトレンドが終わる」という見解もありますが、それは正しい解釈ではありません。

 

 

次に図2ですが、直近高値の起点となった押し安値を下にブレイクした場合ですが、これについてもトレンドが崩れる予兆ではあるものの、まだキーワードとなる「明確な転換シグナル」が発生したわけではありません。

執行時間足ではトレンドが崩れそうに見えても、さらに上位足では押し安値であったということも十分あります。

 

 

また、図3のように執行時間足のみの値動きであったとしても、相場参加者の共通認識的視点である高値安値ではなく、構造的視点としてそもそも波形のサイズが一回り大きいスケールだったというケースも。

 

 

では本題の「明確な転換シグナルとは何か?」について解説します。

図4のとおり、直近の押し安値を下にブレイクした後、終値ベースで価格が直近高値よりも切り下がったことをもって初めて「明確な転換シグナルの発生」とみなすことができます。

 

 

しかし、先程の図2や3のように、最終的にはマルチタイムフレーム分析によって複数時間足の値動きを踏まえた総合判断になることは肝に銘じておきましょう。

ただ、単一時間足で分析する場合の判断根拠は、図4のとおりで大丈夫です。

 

また、チャートから波形を認識する視点として、共通認識的視点と構造的視点の2つがあることを理解していることで、狙った値動きが発生するまでの時間軸などの精度を上げることができるため、どちらかに偏ることなく波形を捉えることも大切。

 

 

FXの環境認識でダウ理論を最も簡単に見る方法

FXの環境認識でダウ理論を最も簡単に見つける方法の前に、「なぜダウ理論が機能するのか?」についてお話します。

 

ダウ理論は、1884年にチャールズ・ダウが提唱した理論で相場参加者の共通のルールとして認識されています。

つまり、世界中のどこにいてもチャートを見ている人は皆、ダウ理論を共通の認識としているためダウ理論が意識された値動きがチャート上に現れるんですね。

 

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そして、チャート上の値動きは人の心理、つまり、相場参加者の欲や恐怖といった集団心理によって形成されているわけですが、だからこそ、ダウ理論上の重要な価格帯では相場参加者の売買心理が重なるため大きな値動きが生じやすい。

この相場参加者の心理的な背景こそが、ダウ理論が機能する理由です。

 

では、この前提を踏まえ環境認識でダウ理論を簡単に見極める方法をお話します。

 

ダウ理論の重要な価格を見極める上で最も大切なことは、その価格配置を「誰が見ても分かること」

つまり、誰がどう見ても明確に高値更新した、安値が切り上がったなど多くの人が共通認識しているほどその価格では値動きが発生するわけですから、曖昧な価格配置を一切排除するのです。

 

例えるなら、現在のあなたの寿命を判断することはできませんが、あなたと同じ年齢の人を1万人集めれば統計を取ることはできますよね。

それと同じで、対象となる分母が大きければ大きいほど予測が立てられるということ。

 

ダウ理論の見方まとめ
  • 買いであれば、明確な高値更新の後、安値が切り上がるポイントを探す。
  • 売りであれば、明確な安値更新の後、高値が切り下がるポイントを探す。
  • レンジであれば、基準となる高値と安値を探しそこまで待つ。

 

非常にシンプルですが、複雑な手法を採用しなくてもこれさえできれば年ベースで十分収益をプラスにできますし、これ以外のよく分からない相場で手を出すことで多くの人が退場していくわけですから、凡事徹底で基本を徹底的に守ってやってみましょう。

 

最後に、水平線について少しだけ触れておきますが、水平線とは形式的な表現であって、要はダウ理論で意識される価格を水平線で表示しただけのこと。

この考え方を持ってチャートを見れば、必然的に水平線を引くべきポイントが見えてくるでしょう。

 

青牛
青牛
ダウ理論もマルチタイムフレーム分析で認識することによって確度がグッと上がりますから、トレーダーなら必修のスキルですね。
【完全版】マルチタイムフレーム分析を初心者が身につける方法を徹底解説!この記事では、マルチタイムフレーム分析の技術を習得したいけど、「初心者には難しいからやめときな」と言われ、どうやって取り組んでいけばいいのか分からないというあなたのために、マルチタイムフレーム分析を学ぶ上で必要なお話をしていきますので、じっくりと読んでください。...

 

まとめ

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ダウ理論に限らず、チャート=集団心理という背景を理解することで、ただのグラフであるチャートの見方も変わってくるはず。

そして、複雑なことなど一切する必要はなく、いかに基本的なことを極限レベルまで高めていくことができるかが大切。

 

ダウ理論を学び、実際のチャートでもある程度使いこなせるようになってからは、マルチタイムフレーム分析によるケーススタディの蓄積あるのみです。

誰もができることを、誰もができないレベルで実践できるように日々、自分の技術を磨いていきましょう。