FXを始めたばかりの人が最初に抱く感情は、ほぼ共通しています。
「なんで自分は負けてしまうんだろう…?」
「どうしてあの人みたいに同じようにできないんだろう?」
「手法を覚えれば勝てるはずなのに、何かがおかしい。」
実は、こうした悩みは“能力の差”ではありません。
もっと根本的な原因があるのです。
それは——
あなたが『自分にとって都合がいい時間軸』、『ひとつの時間軸』だけで世界を理解しようとしてきたから。
相場はひとつの平面ではありません。
5分足で上昇しているように見えても、1時間足では下降トレンドのど真ん中。
あなたには「騙し」に見える動きも、上位足の参加者からすれば「当然の調整」。
つまり、あなたが「騙された」と感じていた場面は、すべて“時間軸の違い”が生んだ錯覚に過ぎない。
この錯覚が消えない限り、どんな手法を覚えても勝てるようにはなりません。
そして、その錯覚を取り払い、相場の本当の姿を“立体的に”理解する方法こそが、
マルチタイムフレーム分析(Multi Time Frame Analysis)。
MTF分析を身につけると、混沌としたチャートが“整然と”見える瞬間が訪れます。
あれほどノイズに見えていた動きが、理由を持った“必然”として理解できるようになる。
この瞬間こそ、あなたが「初心者」から「勝てる側」に移行する扉です。
さあ、ここから本質の世界へ入っていきましょう。
- 第1章:MTF分析とは?——相場を“立体視”するための技術
- 第2章:MTF分析の基本構造(3つの時間軸の役割)
- 第3章:「上位足の意図」を読むための最重要ポイント
- 第4章:「中位足」で戦略をつくる
- 第5章:下位足は“引き金”—絶対に主役にしてはいけない理由
- 第6章:「実例で理解するMTF分析」—押し目買いの黄金パターン
- 第7章:MTF分析の本質は「未来を当てること」ではなく「トレード条件を整えること」
- 第8章:初心者が最短で成長するための「MTF分析のやり方」
- 第9章:MTF分析を極めると相場が“静かに見える”理由
- 第10章:MTF分析を学ぶことで、あなたのトレード人生はどう変わるのか?
- 最終章:あなたはもう“立体で相場を見る人間”になり始めている
第1章:MTF分析とは?——相場を“立体視”するための技術
MTF分析とは、複数の時間軸を重ね合わせて「相場を立体的に理解するための認識技術」です。
もっと簡単に言うなら、相場の“全体像”を把握する方法。
1つの時間軸だけを見ることの危険性
例を挙げましょう。
あなたが5分足を見ていて「綺麗な上昇。これは買いだ」と思ったとします。
しかし、1時間足は3日かけて下落している最中で、今は“戻り売りのポイント”にぶつかっている。
このとき、5分足だけを見て買うとどうなるか?
——高確率で一瞬上がってすぐに叩き落とされ、損切りになります。
でもこれは負けたあなたが悪いのではなく、見ている世界が圧倒的に狭過ぎただけの話。
相場は「上位足 → 下位足」のベクトルで支配される
相場には明確な力関係があります。
- 上位足は「大きな資金」が作る流れ
- 中位足は「デイトレを中心とした短期売買」が作る流れ
- 下位足は「スキャルピング製」が作る細かな波
※説明を分かりやすくするため、形式的に上位足・中位足・下位足と表現しています。
つまり、相場は常に“上位足の意図が下位足に流れ込んでいる”構造なのです。
だから、上位足に対して逆張りすれば負けるし、上位足と同じ方向で入れば勝率が上がる。
これが相場の“構造的事実”。
手法は、本質的な問題ではありません。
インジケーターなど、問題ですらありません。
ただ、相場の構造的背景を理解しているかどうかだけ。
これがMTF分析の土台です。
MTF分析は「未来を当てるためのものではない」
あなたは未来を予測しようとしていませんか?
次は上がるはず
そろそろ反転するはず
ここは買われるはず
こうした「願望ベース」の思考が、あなたの損失を生んでいます。
MTF分析は未来を当てるための道具ではありません。
あなたの手法が合致するかを最高精度で見極めるための技術です。
未来はコントロールできません。
しかし、勝率の高い場所に立つことはできる。
この“場所選び”こそが、職人トレーダーが最も重視するものなのです。
第2章:MTF分析の基本構造(3つの時間軸の役割)
MTF分析を正しく使うには、4つの時間軸の役割分担を理解する必要があります。
「大局観(最上位足)」
「構造(上位足)」
「戦略(中位足)」
「実行(下位足)」
の3段階で動いています。
①最上位足:全体の流れを決める支配者
月足、週足は、相場の流れを作っている最上位の時間足。
多くの人はこの2つの時間足を見ずに環境認識をしていますが、それは大きな間違いです。
月足と週足を環境認識に採り入れることで、トレーディング戦略は飛躍的に高精度になります。
②上位足:具体的な戦略を見極める
日足、4時間足は、月足、週足をよりフォーカスして見るために使うわけですが、デイトレを生業としているのであれば、日足1本自体に意味を持つようになってきます。
トレンドの方向
大衆心理の傾き
反発の出やすい価格帯
- 前日、当日のOHLC
つまり、日足1本だけでも環境認識ができるわけです。
この考え方をせず、単にチャートの形を見ているだけでは、あなたは本当に優位性のある環境認識を実現することはできません。
負けるのは当然の結果です。
③中位足:デイトレの主戦場
1時間足や30分足は、デイトレーダーにとって戦略の中心となる足です。
上位足の背景を受けて、ここでトレンドが形成され、押し目や戻りの質が明確になります。
中位足の反応を見ることで、
「いま本当に買われているのか?」
「いま本当に売られているのか?」
が判断できます。
総体的な構造を理解できると、あなたの採用する手法にとって最も優位性がある場面かの見極めできるようになります。
④下位足:エントリータイミングを見極める
5分足や1分足は、相場の細かな動きを確認するための足です。
本来の目的は「エントリータイミングを見極める」だけ。
初心者のように、下位足の形だけでトレードするのは自殺行為です。
下位足は、“相場がもともと持つ大きな意図”の中で使わなければ、ただのノイズに飲み込まれます。
第3章:「上位足の意図」を読むための最重要ポイント
MTF分析の最初の関門。
それが“上位足の意図を読む”ということ。
上位足の意図が分からないままトレードするのは、地図もコンパスも持たずに森へ入るようなものです。
では、どうやって意図を読むのか?
①「相場は今どこに向かっているのか?」を必ず確認する
上位足を見る上で、最も大切なのは“相場の目的” を把握すること。
高値を切り上げようとしているのか
安値を更新しようとしているのか
方向感がなく、迷っているのか
あなたがやるべきは予想ではありません。
チャートの値動きが、今あなたの採用する手法が優位性を発揮する場面なのかを見極めることです。
②押し目・戻りの候補を“必ず”先に描いておく
上位足には、反応が起こりやすいゾーン(価格帯)があります。
もう少し具体的に掘り下げると、ダウ理論上の重要な価格となる可能性が高い価格帯。
月足、週足の重要ライン
4時間足の押し安値・戻り高値
レンジの上下限
過去の強い反発帯
これらは「市場参加者の注目が集まる場所」であり、反応が出やすいのは必然です。
トレーダーは未来を予測できませんが、“反応する可能性が高い場所”は事前に知ることができる。
これを知っているかどうかでMTF分析の精度は飛躍的に向上します。
③上位足の地合いが悪い日は勝負しなくていい
ヒゲだらけ
波形が崩れている
ボラが異常に低い
明らかに連続のノイズが続いている
チャートに秩序が見出せない状態では、そもそも優位性があるトレードを実現することはできません。
疲れた相場に期待しても、疲れた結果しか返ってきません。
あなたが勝ち続けたいなら「優位性がある場面でのみトレードする」という基準を明確に持つこと。
これだけで勝率は劇的に変わります。
第4章:「中位足」で戦略をつくる
デイトレの核となるのが中位足(1時間足・30分足)。
この足こそ、初心者と上級者の“視界の差”が最も大きく出る部分です。
なぜなら、中位足には「相場が動き出す前兆」が隠れているからです。
上位足は流れの方向を示し、下位足は細かな反応を示しますが、中位足はどちらの影響も同時に受ける存在ということもできます。
つまり、相場参加者の“意図 → 行動 → 結果”の全プロセスが最も分かりやすい形で現れるのが中位足なのです。
ここを理解できると、環境認識の解像度がグッと上がります。
①トレンドの“過程”を見る
初心者は「高値を更新した」「安値を割った」という“最終結果”だけを見て判断しがちです。
しかし、その更新が
強い勢いで突破したのか
ヨレヨレとなんとか超えただけなのか
押し目を作ってから超えたのか
終値ベースで確定した価格更新なのか
これによって、その後の展開はまったく違うものになります。
プロが見ているのは常に「どのように更新したのか?」というプロセスと結果の両方。
ダウ理論上の重要な価格かどうかは、その“作られ方”にこそ現れます。
②トレードチャンスの最適解
トレードの本質に迫ると、最終的に辿り着くのは「リスクをとってでもトレードする価値があるのか」という事実です。
だからこそ、目の前のチャンスの内側を理解して相場と向き合うことが大切であり、私が考える最適解はこの3つです。
【絶好のチャンス】
あなたが採用する手法にとって、全ての環境条件が整い圧倒的なチャンスであり、大きなリスクをとってでもトレードする価値がある場面。
【日常的なチャンス】
平均的なリスクはあるものの、期待値がある場面。
【ノートレード】
採用する手法に合致しない場面。
このノートレードを体現できる人は、長期的に捉えた時、大きな優位性を持っています。
なぜなら、トレードは“やらない決断”の方が圧倒的に難しいから。
勝てるトレーダーは、勝負すべき場面とそうでない場面を見極める能力が高い。
③“反応の質”が勝敗を分ける
テクニカル分析でよく使われる「プライスアクション」という言葉。
分かりやすく言い換えるならば、「反応の質」とも言えるでしょう。
たとえば押し目買いなら、押し目の場所に来ることだけが重要ではありません。
大切なのは、その押し目で“相場がどう反応したか”。
優位性がある反応とは?
上位足でハンマーとなる
上位足でハンマーとなった場面が、下位足ではダブルボトムなどの買いに優位な転換パターンを作っている
安値を切り上げている
直近のストップ注文を刈り取ってから上昇している
こうした動きまでしっかりと見極めることが重要です。
優位性がない反応とは?
ボラティリティが小さい時間帯での価格形成
終値ベースでの価格更新がない
下位足では買いに優位な転換パターンでも、上位足では優位性があるローソク足として確定していない
全体の流れと矛盾している
これは明らかに“材料不足”で、このまま上がる確率は低いと判断することができます。
反応の質とは、「相場がどの方向へ本気で進みたいのかを示す相場参加者達の実況中継」です。
これを肌で感じ取れるようになれば、あなたの“職人度”は大きく向上するでしょう。
第5章:下位足は“引き金”—絶対に主役にしてはいけない理由
初心者が間違いがちなのが、「下位足の形が良いからエントリーする」という判断方法です。
しかし、この考え方が“負ける構造”そのもの。
なぜなら下位足には、上位・中位足とは比べものにならないほど大量のノイズが存在するからです。
①下位足だけで勝てない3つの理由
ノイズが多すぎて“本質”が見えない
下位足は頻繁に相場参加者が入れ替わり、意味のない値動きも頻発します。
これを読み解こうとするほど、“余計な情報”に惑わされます。
エントリー回数の罠にハマる
トレーディングは、エントリー回数の多さに比例してありとあらゆるリスクも大きくなるということを肝に銘じることが重要です。
下位足に集中すればたくさんエントリーできて稼げる、という考えを持っているようなら、今すぐその考えを捨て去りましょう。
構造が見えず勝率が安定しない
上位・中位足という環境条件を考慮せずに下位足を見ても、高精度なMTF分析をすることはできません。
勝率は、構造を把握する高精度なMTF分析に加えて、磨き抜かれた技術によって積み上げられていきます。
②下位足で見るべきは「構造」と「タイミング」
下位足で追うべきは、たった2つ。
エントリーできる“構造”があるか
例:逆三尊、ダブルボトム、ダウの切り上げ・切り下げなど
※ ただし形だけで判断しないこと。(上位足の意図との一致が必須)
ローソク足1本の精度を見極める
ダウ理論上の重要な場面でハンマーが出現する。
どの時間足であっても、相場参加者はハンマーを具体的なエントリータイミングとして共通認識しています。
上位足の環境条件を踏まえて、さらに下位足までエントリータイミングを見極めていくことでトレーディングのディティールを緻密に仕上げることができるのです。
第6章:「実例で理解するMTF分析」—押し目買いの黄金パターン
では、これまでの理論をケーススタディとしてつなげてみましょう。
押し目買いは最もシンプルで再現性の高い戦略ですが、多くの初心者が間違える理由も深く理解できます。
ケース:上昇トレンド中の押し目買い
月足、週足が買いに優位な背景
日足・4時間足
- 共通認識性が高い上昇トレンド
- ダウ理論上の重要な価格に到達
- レジサポ転換

1時間足
- 日足の押し目形成場面
- 1時間足でトレンド転換確定場面

5分足
- 1時間足のトレンド転換確定場面
- 5分足でダブルボトム形成しレジサポ転換場面

この流れが噛み合った瞬間
このように全ての時間足の環境条件を総体的・相対的に分析統合することで、圧倒的に優位なトレーディングを実現することができるのです。
第7章:MTF分析の本質は「未来を当てること」ではなく「トレード条件を整えること」
多くの初心者が根本的に誤解しているのが、“相場で起こっている全ての値動きを理解できたら勝てる”という思い込みです。
しかし、本質的な事実は全く違います。
未来を当てる必要など全くない
未来など誰にもコントロールできないため、そもそも予測する必要などありません。
しかし、あなたが採用する手法が勝ちやすい場所に立つことはできる。
つまり、手法が合致する場面かを見極めるのが本当のMTF分析。
その準備こそが、上位足 → 中位足 → 下位足という立体構造に沿って“条件を整える”ことなのです。
まずは手法を厳密に定義する
あなたも経験があるはずです。
今日はなぜか勝てない
入っても入っても踏まれる
波が汚くて方向感がない
この経験を日常的に感じているようなら、あなたは現時点で恐らく自身の手法を明確に定義できていません。
そして、チャートを開いた時の目先の値動きに振り回され、ただただポジポジしているだけです。
条件が揃ったときだけトレードする
条件とは:
上位足が方向を示し
中位足がその方向へ向かう戦略を形にし
下位足がエントリーの合図を出し
ボラティリティが大きい
この4つが揃った瞬間まで「待つ」姿勢を継続して体現することができれば、あなたが結果を出すのは時間の問題と言えるでしょう。
その上でMTF分析とは、「勝つための構造を作る技術」である。
トレードが安定しない人は、条件を揃えていないまま、目先の形だけでエントリーしているだけ。
逆に、条件を揃えられる人は最終的に勝率が安定し、感情も乱れず、継続して利益を積み上げていくのです。
第8章:初心者が最短で成長するための「MTF分析のやり方」
トレードで最も重要なのは「ルーティン化」です。
ここでは、すぐに使えるMTF分析の型をお話します。
まず大前提として「あなたのメインの時間足で採用したチャートパターンを確認できるか」を確認してください。
結論としては、これを確認できないのならトレードすべきではない、ルールに合致しないためできない、という状況です。
多くの人は、これをしっかりと理解していないため、「どこかにトレードチャンスはないか?」とカチカチと時間足を変えてチャートを見続けた結果、自身のルールとは全く合致しない場面で意味のないトレードを繰り返しているのです。
①上位足ルーティン —“意図”を読み取る時間
メインの時間足であなたの手法に合致できるパターンが確認できたという前提を持って、以下を確認します。
【上位足チェックリスト】
相場の方向は?(上昇・下降・レンジ)
高値・安値の切り上げ/切り下げ
大きな節目(サポート/レジスタンス)の位置
ボラティリティが大きい時間帯か
- 月足、週足は陽線と陰線のどちらになりそうか
これは、「相場はどの基準価格に向かっているのか」を把握するための作業です。
最初は難しく感じるかもしれませんが、継続すれば少しずつ理解できるようになります。
②中位足ルーティン —“戦略”を組み立てる
上位足の環境条件を踏まえて、もう一度メインの時間足のでパターンにどれくらいの優位性があるのかを確認します。
【中位足チェックリスト】
過去の押し安値・戻り高値との関係
波形が滑らかか、汚いか
波形のサイズ
直近の大きな値動きが起こっている時間帯
- メインの時間足単体でも3つ以上の根拠があるか
中位足の環境条件が整っていなければ、たとえ上位足が強くても価格は伸びません。
逆に、中位足が美しい波形を作っている場面では、総体的な優位性は大きく底上げされているとも言えます。
③下位足ルーティン —“実行のタイミング”をとる
ここでは下位足でのチャートパターンとエントリーシグナルを捉えます。
【下位足チェックリスト】
下位足の値動きに秩序があるか
上位足に内包される下位足のパターンに優位性はあるか
ストップ刈りが起きそうな価格はあるか
ボラティリティが大きい時間と重なっているか
下位足は「最小単位の初動」を掴むために活用します。
④シナリオの統合 —“勝負するべきか”を決める
3つの時間軸(9つの時間足)の情報を統合して以下の判断を行います。
【A:勝負する】
上位足・中位足ともに環境条件が整っている。
下位足でのセットアップ、エントリータイミングも整っている。
資金管理面でも勝負できるだけの余力がある。
【B:許容リスクを小さくしてエントリーする】
中位足では良い環境だが、上位足の根拠が万全ではない
リスクはあるが狙えなくもない
【C:ノートレード】
Bの状況を甘受できない
構築した神経系統を守りたい
とにかく勝率にこだわりたい
お分かりのとおり、勝つ人は「Cの日」に手を出さないし、なるべくBすらも避ける。
「トレードチャンスの回数ではなく、1回のトレードでの利益を最大化する。」
Aこそが、最短で結果を出すための最大の秘訣です。
第9章:MTF分析を極めると相場が“静かに見える”理由
あなたがMTF分析を本格的に理解できるようになれば、チャートを見る解像度が飛躍的に向上し、ありとあらゆることを俯瞰し分析統合できる不思議な感覚を味わうでしょう。
これは決して錯覚ではありません。
MTF分析は「認識速度」を上げる
人は、理解していないものを見ると情報量が多すぎてパニックになります。
しかし、相場の“層”を理解すると今何が起きているのかを瞬時に分析統合できるようになる。
認識が変わると感情が消える
MTF分析を理解できていない時は、
イメージと違う値動きで不安になる
突発的な値動きに飛びつきたくなる
含み益に耐えられない
損切りで動揺する
しかし、採用する手法を厳密に定義することに加え、MTF分析ができるようになると安定したメンタルで相場と向き合うことができるようになります。
その理由は、無秩序に見えるチャートの世界において、自身の秩序が優位性を持つ場面かを見極めることができるようになるから。
第10章:MTF分析を学ぶことで、あなたのトレード人生はどう変わるのか?
MTF分析を習得すると、トレードは次の段階へ進化します。
① “偶然勝つ”から“狙って勝つ”へ
偶然で勝つのではなく、技術で勝てるようになります。
勝てる日は必ず勝ち、勝てない日は必ず休める。
これは偶然ではなく、必然の産物です。
② 感情に振り回されなくなる
エントリーの恐怖
損切りの恐怖
利確の焦り
含み損のストレス
これらはMTF分析によって、現在の相場状況を適切に見極めができていないからこそ起こります。
③ 一生使える“土台”が手に入る
相場は時代が変わっても、相場参加者の群集心理という基本構造は変わりません。
これは1900年代に入ってチャートができてから、そして、これからも人が関わり続ける限り変わることのない普遍的な法則です。
MTF分析を理解することは、トレーディングスキルにおける一生モノの基礎を手に入れることを意味します。
最終章:あなたはもう“立体で相場を見る人間”になり始めている
ここまで読み進めたあなたは、すでに初心者ではありません。
なぜなら、初心者は相場を単一方向の平面でしか見ていません。
しかし、結果を出している人は、ありとあらゆる角度から多面的立体的に相場を見ています。
この違いを理解した瞬間、あなたはもう“勝てる側”の入口に立っている。
結果を出すために必要なことは、手法ではなく、才能でもなく、センスでもない。
本質的な理解、構造的背景の理解、適切な自己認識と環境意識です。
その最短ルートこそMTF分析。
ここから先は、あなたがどれだけ「毎日のルーティン」として積み重ねるかだけ。
未来は当てるものではない。
未来は、条件を整えて迎えるもの。
その条件を整える力を、あなたはもう手にし始めています。







