環境認識

FXの環境認識をシンプルにする準備とポイント3選

「日足がレンジで1時間足ではトレンド転換だな・・・」
「4時間足ではMA反発だけど、30分足ではボリンジャーバンドの中央にいるな・・・」
「1時間足ではレンジだけど、1分足では完璧な上昇トレンドだな・・・」

で結局どういう状況なんだよこれは!?

 

チャートと向き合う中で、ほぼ全ての人がこの経験をしているはず。

でも、高評価のブログや情報商材の解説を見ても、一様に初心者向けであったり、環境認識は日足だけを見ればいい、複雑に考え過ぎだからシンプルに考えましょう、といった言葉が羅列されているばかりで、「実際の相場分析で活かせる考え方や方法」が見当たらないのが悲しい現実。

 

そんなあなたの悩みを解決するために、今回はFXにおける環境認識をシンプルに実践するというこの「シンプル」という言葉が持つ意味について徹底解説していきます。

この記事を読み終わった時には、目の前の霧が晴れる感覚を持てるでしょうから、じっくりと読んでください。

FXの環境認識をシンプルにするための3つの準備

まず、FXの環境認識をシンプルにするための核心をお話します。

それは、「物事におけるシンプルさの在り方とは、膨大なサンプルを収集しそれを精査する過程で削り出された手の中に残ったもの」だということ。

 

つまり、シンプルという言葉は「簡単にできる」という言葉を言い表しているわけではありません。

それをシンプルという言葉だけが一人歩きし、自ら考えることを省略したいがために「キャッチーな方法」に脇目も触れずに飛びつき、奈落の底へと落ちていきます。

 

まずは目を覚ましましょう。

環境認識をする上で本当に必要なことは、優位性が高いポイントを見極め、そこで起こる値動きがあなたが採用する基準と合致した時に行動するための厳密な根拠となる判断です。

 

つまり、環境認識をする前提として、まずはあなたがあなた自身のことを客観的に理解できていることが大切だということ。

自分自身の軸が定まっていないにも関わらず、変わり続けるチャートに対して一貫した分析などできるわけがありませんよね。

 

では、定めるべきあなたの軸・基準となる要素についてお話します。

準備1 手法の属性を客観的に把握する

この要素の最たる例は、検証作業によって統計学的に把握すること。

 

つまり、

・勝敗率
・プロフィットファクター
・最大ドローダウン
・損益レシオ
・期待値                       and more…

等の要素について、複数通貨ペアで執行時間足に応じた期間を検証し、どういう相場環境なら勝ちやすく負けやすいのか、ということを客観的に理解することが必要です。

 

この事実があって初めて現在の相場状況に対して、あなたの手法が優位なのかどうかを判断できるということをまずは理解しましょう。

ただし、ここで最も注意しなくてはならないのが、闇雲にFT5などの検証ツールを回すことが検証ではないといこと。

 

そして何より、あなた自身がその検証作業を通して「何を把握したのか」を厳密に定義することを事前に抜かりなく行うようにしてください。

準備2 ツールを使わない

昔からツールによる詐欺被害はあとを断ちませんが、ツール自身に問題があるわけではなく、使用する側がそのツールが持つ優位性を理解できていないことが問題の本質です。
(悪意を持ち販売するのは論外ですが)

しかし、そのツールによって利益を手にできたとしても、それは本当にあなたの実力なのでしょうか。

 

どんな物事にも永久保証というものはなく、相場環境が変わればいつか必ずそのツールの優位性も失われる時がやってきます。

その時、ツールにどっぷり依存してしまったあなたは、継続して利益を上げることができるのでしょうか。

 

飲む, ガラス, 注ぐ, バー, パブ, 氷, アルコール依存症, カクテル, アイスキューブ

トレーダーを目指すものであれば「マーケットの魔術師」という書籍を読んだことが一度はあるでしょうが、その中でもメカニカルトレード(いわゆる自動売買)を採用しているトレーダー達は自らが設計したプログラムによって膨大な検証作業を行い、さらにその仮説が機能する場面かを厳密に見極める中で相場から利益を手にしています。

それを、どこぞの誰がどういった前提で作ったのかも分からないブラックボックスでトレードの真似事をしていては、本当の実力がいつまで経っても身につかないことは自明ですよね。

 

目先の利益に目を眩ますのではなく、まずは裁量トレード技術を磨くこと。

そして、その中でも環境認識は最優先事項です。

 

「手法は何でもいい」という言葉をよく目にしますし、私自身、本当にその通りだと思っていますが、トレードスタイルがまだ確立できていない人はこの言葉の意味を理解していないケースがほとんど。

手法は何でもいいということは「どんな手法でも勝てる時がある(負ける時がある)」ということであり、つまり、その手法が機能するかどうかを環境認識によって見極めることがより重要だということを肉薄した感覚で捉えることができるのではないでしょうか。

準備3 使用するインディケータを絞る

使用するインディケータ、オシレータは多くても2〜3つに絞るべき。

これが意味することは、相場とは常に変わり続けており、その中で最も大切なことはあなた自身が一貫した価値基準を持ち相場と向き合うこと。

 

つまり、可変要素が少ない方が圧倒的に有利だということです。

ただでさえ難解な相場から優位性が高いその一瞬を見出そうとしているにも関わらず、あなた自身がインディケータの設定数値に四苦八苦しているようでは本末転倒。

 

特にテクニカル分析が機能する本質的な理由が、相場参加者の総体的な動意づけ、セットアップに対する共通認識性の高さにある以上、一時的な場面に過剰最適化したインディケータの設定数値の優位性はないに等しいということが分かるはず。

勝っているトレーダーほど、チャート画面がシンプルだということは紛れもない事実です。

 

環境認識に取り組む前に、まずはこれらの準備をしっかりと整えましょう。

前置きが長くなりましたが、ここからは環境認識していく中で優位性が高いポイントについてお話していきます。

 

FXの環境認識をシンプルにする3つのポイント

ノート, 洗濯バサミ, 物干し用ロープ, 乾燥外, 木《洗濯バサミは攪拌, メモ, 洗濯物干しロープ

FXの環境認識をシンプルにするためのポイントは3つ。
当然、言い出せばキリがないほど見なければいけない要素はありますが、まずはこの3つをしっかりと身につけましょう。

ポイント1 トレンドかレンジかの把握

まずは、トレンドが発生しているのか、はたまたレンジなのかを明確に定義づけできるようにしましょう。

基本的にトレード手法は、トレンドフォロー(順張り)かレンジ環境での逆張りに二分できますが、順張りと逆張りの優位性はそれぞれの環境下では全く逆に作用することがあるため、戦場に不適切な武器を持ち出さないためにもこの大局観を的確に把握することは重要です。

 

ポイント2 ダウ理論上の重要な価格の把握

ダウ理論上の重要な価格とは、押し目や戻りとなった高値と安値を指します。

 

上昇トレンド:高値更新後、どこで押し目となる安値を形成するのか。

下降トレンド:安値更新後、どこで戻りとなる高値を形成するのか。

レンジ:基準となる高値安値はどれか。

 

トレンドフォロー戦略の場合、この価格更新という前提があってはじめてエントリーのための準備が始まります。

また、レンジ戦略の場合、基準となる高値安値に到達するまではエントリーするべきではありません。

 

ポイント3 水平線は日足・4時間足で引く

ローソク足は全てが繋がっていて、その全ての時間足がそれぞれの意味を持っているわけですが、その大前提として、上位足は下位足を内包しています。

それは、下位足は上位足の支配下にあるとも言い換えることができ、必然的に上位足で設定する水平線が高い優位性を持つことになります。

 

ポイント2でお話したダウ理論上の重要な価格を見極めることと同時に、機能する水平線がどこに引けるのかを日々磨いていきましょう。

また、私は水平線を設定することは非常に難しいと考えていますが、その理由は「誰でも何となく引けるから」です。

 

上級者でも初心者でも、チャートを見れば誰でも簡単に水平線が引けますよね。だからこそ、「本当に機能する水平線の設定」とは難しいものなのです。

本当に機能する水平線をいとも簡単に引けてしまっては、みんなが常勝トレーダーになってしまうでしょう。

 

簡単なものこそ、本当は難しい。

この言葉の意味と日々向き合いながら、水平線の設定技術を磨いていきましょう。

 

青牛
青牛
シンプルだけど、どこまでも奥が深いのがマルチタイムフレーム分析。それに取り組む意義の大きさは、取り組んだ者にしか知り得ない世界です。
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まとめ

太陽, 結石, 日陰, 手, バックライト, 透水性, ガラス, 紙やすりで磨く, 指, 保つ, ビーチ, 海

FXの環境認識をシンプルにする準備やポイントについてお話してきましたが、確立されたテクニカル分析とは磨き抜かれた技術であり、一朝一夕で身につくものでは到底ありません。

そして、今回お話したような環境認識を行うための大切な準備をしっかりと整えてから、相場と向き合うようにすること。

 

何より、安易な逃げ道を探すことなく、膨大な時間をチャートと向き合う中で検証・分析を続け、普遍的なトレーディングスキルを磨いていきましょう。