「ダウ理論が教科書どおりに機能しない」
という悩みを抱えている人も多いわけですが、相場がそもそも教科書どおりになるのなら9割も退場しないはず。
退場する原因は、ダウ理論などのテクニカル分析の他にメンタルマネジメントや資金管理があるとしても、その入り口のほとんどはテクニカル分析が機能しないことがきっかけになっているのではないでしょうか。
また、勤勉で真面目な日本人の性格や型にはめ込む日本の学校教育という背景を考えれば、教科書どおりにならないというジレンマを抱えている人は相当いるのではと考えています。
この記事では、教科書どおりにならないダウ理論の高値安値をどのように実戦で掴んでいくのかということを徹底解説していきますので、ぜひ参考にしてください。
FXの環境認識でダウ理論の高値安値をカモられずに掴むための3つの流れ
FXの環境認識でダウ理論の高値安値をカモられずに掴むための3つのポイントについて解説していきます。
その① 相場は教科書通りのポイントでエントリーした人のストップを刈ってから順行していく
FXがマネーゲームである以上、ストップ刈りによって多くの注文を振り落としてから思惑の方向へと伸びていく性質を、まずは理解しなくてはいけません。
今あなたが勝てていないのならあなたが直感的にエントリーしたいと思うポイントは、いわゆる相場の養分となるポイントだと考えるべき。
その1つがこの教科書どおりにエントリーしようということであり、FXを本で初めて知ったあの頃、押し目買い、戻り売りなどの簡単なチャートパターンを見て、「これならできるかも」と思った瞬間をよく覚えているのではないでしょうか。
世界のFX人口のうち約60%が日本人だとも言われ、ミセスワタナベと揶揄されるほどカモと見られており、「教科書どおりに回答することが正解」という教育体制で育ってきた日本人の背景がそれらを裏付けていると納得してしまいますよね。
なので、チャンスだと判断した場面で教科書どおりにエントリーする人が刈られるとしたらどこなのか?という視点でチャートを見てみましょう。
その② 価格は切り上げないし切り下げない
ダウ理論では、上昇トレンドは高値と安値を共に切り上げ、下降トレンドならその逆と定義されているものの、実際のエントリーポイントはイラストのようになるのがあるある。
これが何を意味しているのかといえば、実際の相場はその①で話したように教科書どおりにはならないことの方が圧倒的に多いし、その最たる例が上昇トレンドであれば価格が切り上がることを狙って買い入ったトレーダーのストップを刈る動きや一旦の急落による振い落としなわけです。
ではどうすればいいのか?ということをその③で解説します。
その③ 2回目の到達を待て
ポイント①と②を踏まえて、実戦でどのようにすればいいのかということを解説します。
まず結論からお話すると、いわゆる2番底、2番天井と呼ばれるポイントまで待つこと。
押し目買いを例とすると、
- 日足での押し目買いの場合、日足で押し目となるポイントでハンマー(下ヒゲ)が確認できるまで待つ。
- 1時間足か30分足で2番底を作るポイントまで待つ。
- エントリーは、その2番底となる場面で1番底のストップを刈るタイミング、または、ストップを刈ったことを確認してからエントリーする。
このエントリータイミングの考え方は、この記事で詳しく解説していますので合わせて読んでみてください。
また、一般論としては、上位足でのセットアップを確認してから下位足でのブレイクアウトを狙う方法を薦めているものもありますが、はっきり言ってそれではリスクリワードが悪過ぎます。
エントリーしてから余裕を持ってポジションを管理するためには、少しでも有利なポイントでエントリーすることが必要で、ブレイクアウトでまずそれは無理。
多くの人が恐怖を感じるポイントこそ最大の優位性があるエントリーポイントであると考えれば、それとは反対に、多くの人が飛び乗って儲けたいという欲や乗り遅れたくないという焦りを感じるポイントには、優位性を見出すことの方が難しいということが理解できるはず。
9割の人が退場するということは、それとは反対のことをやればいいと言いますが、実際はそんなに単純な話ではないとしても、その考え方は一理あると不思議と思えてしまうもの。
なので、2番底でエントリーを試みる場合、そのまま突っ切ったらどうしようという恐怖を感じるでしょうが、それはあなた以外の相場参加者も同様に恐怖を感じている可能性があるということであり、その恐怖が意味する優位性はここまで読み進めればもうお分かりでしょう。
まとめ
FXの環境認識でダウ理論の高値安値をカモられずに掴む方法を解説してきました。
相場はいつもあなたの思い通りには決してなりませんが、丁寧に向き合えば一瞬だけその波に乗ることを許してくれます。
ほとんどの人はその波に乗ることなく振るい落とされるわけですが、今回お話した視点が少しでもあなたの力になれば幸いです。
正しい学習を進め、カモられる日々から卒業しましょう。