「環境認識が大切なことは分かっているけど、リアルチャートで上手くできない」
「環境認識に自信が持てず、エントリーに躊躇してしまう」
誰でも一度は経験したことがある悩みでしょう。
環境認識とは、トレードする上で最も大切な要素であり、これをやらないことには自らの手法が機能するのかどうかを判断することができず、つまり、
今あなたが参戦してもいい戦場なのか。
その戦いで勝利を掴めるのか。
はたまた負けたとしても生き残れるのか。
または木っ端微塵に玉砕してしまうのか。
この重要な判断を下すために行うのですから、そのスキルを磨かないわけにはいきません。
しかし、環境認識という抽象的なスキルを磨いていくための具体的な方法は、なかなか見つからないもの。
でも、安心してください。
私は、自分のトレードスキルの中で最も自信を持っているのがこの環境認識です。
この記事では、FXの環境認識のトレーニングについて、どのブログよりも詳しく具体的に余すことなく解説していきますので、じっくりと読んでください。
また、環境認識のスキルは、FXに限らず、株や仮想通貨などにも十分通用しますから、絶対に習得しましょう。
FXの環境認識トレーニングはケーススタディの積み重ねしかない
まず結論からお話すると、FXの環境認識トレーニングで絶対に結果を出す唯一の方法は、「圧倒的な数のケーススタディを積むこと」
複数時間足を分析統合するマルチタイムフレーム分析による環境認識をする中で、全く同じ組み合わせは存在しませんが、似たような組み合わせは確実に存在し、それを見極める感覚を養うことが何よりも重要です。
そして、もうすでにお分かりのとおり、この方法は地道で膨大な時間を必要とします。
しかし、よく考えてみてください。
研修を終えたばかりの若いドクターに、あなたの大切な体を切り開いて欲しいですか?
幾度となく修羅場を乗り越えてきた経験豊富なベテランにこそ、大切な命を安心して預けることができますよね。
それと全く同じで、あなたも経験豊富なベテランになる道を歩むしかないのです。
そして、この地道な方法は、それがゆえに多くの人が挫折し実践することができず、だからこそ優位性が存在しているんですね。
「千里の道も一歩から」
この言葉を愚直に実践していきましょう。
そうは言っても、どういう要素をチェックしていけばいいのか知りたいあなたのために、見るべき7つのポイントについて、お話していきますね。
FXの環境認識トレーニングで見るべきポイント7選
では、FXの環境認識トレーニングで見るべきポイントについて解説していきます。
主要な項目は次のとおり。
①監視通貨を固定する
②監視時間を固定する
③売買方向を固定する
④意識されているダウ理論上重要な高値安値の見極め
⑤1日の値幅に注目する&OHLC
⑥厳選して設定した水平線が機能するのか検証する
⑦スマホで分析しないことを徹底する
①監視通貨を固定する
まず、監視通貨を固定しましょう。
この理由は明確で、各通貨にはそれぞれの特徴があり、それを緻密に把握するためには通貨ペアを絞り込む必要があります。
例えば、犬という動物を観察するとしても、犬種が異なれば行動習性等が違ってくるように、その犬種固有の特徴を厳密に定義するためには、観察対象を限定するのは必然ということが理解できるでしょう。
オススメは、逆相関の通貨ペアをセットとして2通貨ペアです。
②監視時間を固定する
次に、監視時間についてですが、多くの方が本業を終えてから夜の時間にチャートを見るかと思いますが、平均して19時に帰宅するのであれば、「毎日20時30分から24時までは監視する」というのがオススメ。
これは、釣りに例えると分かりやすいのですが、川や海に行けばいつでもどこでも魚が釣れるわけではなく、狙った魚が来やすい季節や時間がありますよね。
それを把握するためには、あなたが観察する時間を固定することが最も合理的。
チラチラとことあるごとにチャートを見ていては、目先の値動きに惑わされて時間帯ごとの目動きの特徴を掴むことができません。
見れる時に見る。それ以外は見ない。
これを徹底し、あなたがチャートを監視できる時間帯の特徴を体に染み込ませましょう。
③売買方向を固定する
これは非常に重要な要素ではあるものの多くの人が蔑ろにしていることで、取引機会を多く設けたいがために、売りでも買いでもエントリーチャンスを強引に探してしまっている人が多いのではないでしょうか。
何を隠そう私自身が、勝てない時はそうでした。
売りでも買いでも獲りたい。
順張りでも逆張りでも獲りたい。
全てを獲ろうとして、結局何も身につかない。
このジレンマから脱却するためには、売買方向を絞ることが何よりの得策。
どちらかに絞ることでチャンスが減るのでは?と思うかもしれませんが、①監視通貨の固定でお話したように逆相関の通貨ペアを監視することで普通にチャンスはありますから安心してください。
④意識されているダウ理論上重要な高値安値の見極め
今の相場の値動きは、どの時間足のどの価格が基準となって起きているのか。
これを把握できるようになるための1番の方法は、ダウ理論上の重要な高値安値を正確に把握できること。
また、そもそもこの高値安値が機能していない場面であることもあるため、そういった環境であることも把握できるようになることが、優位性の低い場面でのトレードを回避できるようになります。
⑤1日の値幅に注目する&OHLC
どの通貨ペアも「1日で動ける値幅」がある程度、決まっています。
当然、年に数回はその平均から大きく乖離する爆発的な値動きもありますが、そうでないことの方が圧倒的に多いわけで、平均的な値幅を根拠の一つにすることは非常に有効。
例えば、ドル円の場合は現在の1日の平均値幅は概ね50pipsくらいですが、その値幅が消化され切る時間は何時なのか、まだ消化していない場合、どのポイントまで到達すればそれを消化するほどの値動きが発生するのかを見ていきます。
これにテクニカル的な要素が重なってくると非常に強い根拠になるので、この値幅を意識することは非常に大切。
例:ダブルボトム形成の2番底に到達した時、すでに1日の平均値幅50pipsを消化しているため、サポートラインを下に割って続伸する可能性は低く、50pipsの下落幅を戻す方向に上昇する可能性の方が高い。
また、OHLC(O:始値・H:高値・L:安値・C:終値)を意識することが非常に重要。
そもそもダウ理論は終値を最も重要視しています。
そして、FXは日が切り替わってもほぼ窓を開けないので、前日の終値=当日のほぼ始値であり、必然的に当日の始値はトレーダー達に意識されています。
また、高値と安値は心理的にも非常に意識されており、つまり、
前日高値を越えれば割高として売りが入り、前日安値を割れば割安として買いが入る。
この基本原則を理解できれば、高値越えや安値割れの一瞬のブレイクアウトに飛びつくことはなくなるでしょう。
とにかく、デイトレであれば日足のOHLCは意識すること。
⑥水平線を厳選して設定し機能するのか検証する
環境認識がなかなか上手くできない時は、水平線を引くことに苦労すると思います。
そのような時は、「水平線を2本しか引けないとしたらどこに引くか」という視点でチャートを見てみましょう。
そして、それが機能するのかどうかを検証していくことで自然と水平線を引く技術が磨かれていきます。
ポイントは、週足・日足・4時間足レベルでの高値・安値に注目すること。
1時間足以下の場合は、いくらでも引きようがあってはじめのうちは混乱しますし、何より上位足の水平線の方が圧倒的に優位性が高いので、そちらを確実に引けるようにしていきましょう。
⑦スマホでは見ないことを徹底する
今までもこれからも、スマホ主体でトレードする人は別にそれで構いませんが、自宅のモニターがメインの場合は、スマホで分析しようとすることは絶対にやめること。
何より縦横の縮尺が異なりますし、アプリ自体もあなたに取引させたいがために人間の心理に影響を及ぼす設計がされています。
また、マルチタイムフレーム分析などの複数時間足を使って高精度な環境認識をしようと考えているのなら、スマホという選択肢はあり得ません。
スマホを活用するとすれば、あくまで価格のチェックに限定することがオススメです。
まとめ
FXの環境認識トレーニング最大の秘訣は、「圧倒的な数のケーススタディを積むこと」だとお話しましたが、ただ漠然とチャートを見ていればいいわけではなく、当然、見るべきポイントが存在しています。
今回は、そのポイントについてお話してきましたが、すぐに使いこなせなくても構わないので、7つのポイント1つ1つの意味をしっかりと考えながら丁寧にチャートと向き合っていきましょう。
そして、ある日、「あれ、こんなことが分かるようになってる」という自分に気づくはず。
あなたの環境認識がどんどん磨かれていくことを心から楽しみにしています。