「買ったポイントから下がっていく・・・」
「売ったポイントから上がっていく・・・」
まるで誰かが自分のPCをハッキングして取引を操っているのでは、と有り得ない疑念を抱き目の前の現実から逃避しようとする。
恐らくFXをしている人なら、誰でも一度は経験したことがあるでしょう。
何を隠そう私自身もそうでした。
そして、FXに関わらず、株、仮想通貨などチャートを使って取引する上で最も大切な要素が、今回のテーマである「環境認識」です。
しかし、環境認識という言葉だけが一人歩きし、この言葉が意味する本質を解説している情報が少ないのも現実。
今回は、FXを勉強中のあなたに「本当の環境認識」について、余すことなく徹底的に解説していきますので、最後までじっくり読んでください。
FXにおける環境認識とは
結論から言うと、環境認識とは「自分が採用する手法が機能する場面かを見極めるため」に行うもの。
日常生活で例えるなら、どれだけ優れた品質のジャケットであっても真夏には適さない。
どれだけ人気があるTシャツでも流行が終わればダサくなる。
つまり、私達は日常生活の中で当たり前のように環境認識をしているわけですが、ことチャート分析となると何をどう見ればいいのか分からなくなってしまうのが現実。
この「何をどう見れば」ということに対しての明確な基準を持っているのかが、一貫してチャートと向き合い続ける上で非常に重要であり、そのために抑えるべき5つのポイントについて解説していきます。
FXの環境認識を行う上での明確な基準とは
FXの環境認識のやり方を学ぶ上でまず大切になってくることは、自分の中に判断のバロメータとなる明確な基準を築き上げること。
つまり、その明確な基準がないにも関わらず、チャートを見て環境認識をやること自体が本質からかけ離れているということですよね。
では、環境認識をする上で具体的にどういう要素に注目していけばいいのか、大切な5つのポイントを解説します。
ポイント1 採用する手法が機能する場面かの見極め
冒頭でも触れたように、まずはあなたが採用する手法が機能する場面かを見極めることが最優先です。
なぜならFXに取り組む目的とは、相場を読み解くことではなく、相場から利益を抜き取り、預金口座の残高を増やすことですよね。
そのために、あなたは「その手法」を採用しているわけですから、それが機能するのかを見極めることが最も合理的な選択肢の一つということになります。
ポイント2 トレンドかレンジか
次に、相場の「状態」には、トレンド、ノントレンド、レンジの3つがあり、それを見極めることが非常に重要になります。
より具体的に踏み込むのであれば、目の前の値動きやこれから起こり得る値動きがトレンド発生による方向性の確定なのか、レンジによる一方向への瞬間的な偏りなのか、基準となる価格を探しているのかを的確に見極めることによって優位性が高い戦略を構築することができます。
あなたが採用する手法がトレンドフォロー戦略であれば、当然、レンジという環境下ではトレードするべきではないし、その逆も然りということです。
ポイント3 ダウ理論上の重要な価格の認識
これはポイント2とも深く関連しているのですが、相場における絶対的なルールがダウ理論である以上、相場参加者は皆、ダウ理論というフィルターを通してチャートという世界を覗いています。
つまり、上昇トレンドであった場合、高値更新したのであれば、「次は安値がどこで切り上がるのか」を探しているということ。
「基準となる高値と安値はどの価格なのか」を正確に認識することができれば、チャートがこれからどういう軌跡を描くのかをイメージできるようになり、優位性が低いポイントでのエントリーを回避できるようになるでしょう。
ポイント4 上位足から下位足に向かって分析していく
ローソク足は、下位足が上位足に内包される構造をしています。
つまり、下位足は上位足の支配下にある。
または、下位足は上位足の影響を受けている。
と言えるわけですが、極論、デイトレであれば週足が陽線か陰線か、または、どういう形になるのかを読むことができれば、その方向についていくだけでいいですよね。
これがスキャルピングであれば、1時間足がどうなるかを読めればいい。
より深い話となると、下位足も上位足と優劣なく大切なのですが、それは上位足から下位足へとスケールダウンする流れでしっかりと読み取れるようになってからでいいでしょう。
つまり、環境認識があまりできないにも関わらず、5分足や1分足を追いかけるのは非常に非効率だということです。
ポイント5 執行時間足と採用パターンを決める
「この手法は、どの時間足でも共通して使えます。」
こんな謳い文句を目にしたことがあるかと思いますが、悪意なく使われるこの言葉が、どれだけたくさんの人を出口のない迷路に迷い込ませたことでしょう。
チャートがフラクタル構造である以上、どの時間足でも同じようなチャート形状になるのは当然のこと。
その言葉を表面的に理解したがために、トレードスタイルがいつになっても定まらないということは、負けトレーダーのあるあるではないでしょうか。
つまり、執行時間足=自分がトレードするメインの時間足を決めたら、まずはその時間足だけで採用したチャートパターンを捉えるようになることが最優先。
そのチャートパターンを探すがために、カチカチと時間足を変えるのはポジポジ病を誘発するリスクもありますから絶対にやめましょう。
まとめ
FXの環境認識のやり方に絶対的な正解はありません。
しかし、正しい方法や合理的な考え方は確実に存在しています。
目先の利益に目が眩み、サインツールなどに手を出すのではなく、明確な基準をもとに日々、チャートと向き合う中でトレーダーとしての足元を固めていきましょう。