「マルチタイムフレーム分析をやりたいけど、どの時間足を組み合わせればいいのだろう」
と、月足から始まって1分足までの9つの時間足を、どうやって組み合わせればいいのかと迷ってしまうもの。
私は、1分足を除いた全ての時間足を常に表示させていますが、同時に表示する時間足の多さに比例して難易度も上がってしまうため、今回はマルチタイムフレーム分析を取り入れたいと模索しているあなたのために、学習にスムーズに取り組む上でのポイントをお話していきますので、ぜひ参考にしてください。
マルチタイムフレーム分析の基本的な組み合わせ
まず結論からお話すると、マルチタイムフレーム分析での時間足の組み合わせは、最低でも4つの時間足を同時に表示すること。
同時に表示する時間足の組み合わせの例としては、
タイプ | 表示する4つの時間足 |
---|---|
スイング | 週足・日足・4時間足・15分足 |
デイトレ | 日足・4時間足・1時間足・5分足 |
スキャルピング | 日足・1時間足・5分足・1分足 |
そして、これら4つの時間足が持つそれぞれの意味としては、
タイプ | 大局の方向 | 執行時間足 | エントリータイミング |
---|---|---|---|
スイング | 週足 | 日足・4時間足 | 15分足 |
デイトレ | 日足・4時間足 | 1時間足 | 5分足 |
スキャルピング | 日足・1時間足 | 5分足 | 1分足 |
1時間足と30分足、15分足と5分足については、好みで選べばOKです。
この考え方としては、
- 大局の方向を掴む
- 執行時間足でのセットアップを確認する
- エントリータイミングを図る
という流れです。
単一時間足でのセットアップというのは、それ単体では全くと言ってもいいほど意味を成しません。
あくまで複数時間足での組み合わせによってその意味が決まってきますから、特に執行時間足で認識したセットアップがあなたの鉄板パターンだからといって、前のめりになってエントリーを早まってはいけません。
執行時間足でのセットアップが上位足でのどういう環境で起こっているのか、エントリータイミングを図る上で下位足はどういう状況なのか。
これらを調和することができれば、はじめてエントリーができるということを理解しておきましょう。
また、この記事で詳しく解説していますが、人間の短期記憶の脆弱性をカバーするためにも、4つの時間足は常に全てを同時に表示させておくことが重要です。
マルチタイムフレーム分析の組み合わせの超重要ポイント
マルチタイムフレーム分析の時間足の組み合わせを踏まえて、超重要なポイントをお話していきます。
そもそもマルチタイムフレーム分析を行う最大のメリットは、
- 高いリスクリワードの実現
- 高い勝率の実現
なわけですが、この要素を更に飛躍的に上げるための方法があります。
それは、日足を味方にすること。
特にデイトレ、スキャルピングを生業とするトレーダーに当てはまりますが(スイングトレーダーなら月足・週足)、その執行時間足が1日の中でどれだけ上下しようが1本の日足に収束しますよね。
私の考えとしては、トレーダーは環境認識というもっともらしい言葉でテクニカル分析を表現していますが、やっていることは月足・週足・日足などのローソク足がどういう形になるか予測をしているだけ。
つまり、陽線になるのか、陰線になるのかの2択です。
長さや形は別として、トレーダーがやっていることというのは、陽線になるのか、陰線になるのかのローソク足の中で泳いでいるだけなんですね。
ということは、今日の日足が確定した時の形やその形成軌道を高精度でイメージすることができれば、それが最強のテクニカル分析。
デイトレやスキャルピングを生業とするトレーダーであれば、この考え方を日々の環境認識に取り入れることができれば、テクニカル分析の精度は飛躍的に上昇しますから、ぜひ取り入れてみてください。
最後に、OHLCの重要性についてお話します。
OHLCとは、Open・High・Low・Close、始値・高値・安値・終値のこと。
ダウ理論は終値を最も重視するわけですが、株や先物などと違ってFXは日が切り替わってもほぼ窓を明けることはありませんよね。
ということは、始値=ほぼ前日の終値となり、更に人の認知機構が新しいものに反応するという背景を考慮すると、前日の終値よりも当日の始値の方が意識されることの方が圧倒的に多いと考えています。
つまり、始値がその日のトレーダーの基準となる価格であり、その始値よりも割高なのか、割安なのか、更には高値より上にいるのか、安値より下にいるのか。
この需給の原理原則に基づく視点を持つことで、テクニカル分析がグッと洗練されるでしょう。
何より、我々トレーダーがやっていることというのは、安いところで買い、高いところで売る。
これだけのことなのです。
インジケーター等を入れることでチャート画面は派手になり、やっている感は出ますが、それによって本質的なことを見落としているリスクがあることを忘れないようにしましょう。
まとめ
テクニカル分析の時間足の組み合わせと日足1本の重要性について解説してきましたが、どれも簡単に実行できることなので、すぐに環境認識に活用してみてください。
特別なインジケーターやツールは一切必要ありません。
なぜなら、ローソク足自体が最強のインジケーターだから。
ローソク足1本1本の意味や繋がりを意識できるようになれば、マルチタイムフレーム分析による環境認識の技術は飛躍的に向上しますから、地道にコツコツと磨いていきましょう。