「レンジ戦略は分かっているんだけど逆張りエントリーが苦手」
「いつブレイクするか分からなくてエントリーできない」
など、レンジ相場に苦手意識を持っている人は多い。
しかし、大きなトレンドを形成することの方が割合としては少なく、フラクタルな構造上、どの時間足でも必ずレンジは発生しているわけで、レンジ戦略を自分のものにできれば収益を上げるきっかけにもなります。
この記事では、レンジ相場の環境認識から始まり、高勝率で高リスクリワードを実現する戦略についてもお話しますので、最後までじっくり読んでください。
レンジ相場の環境認識はこれで完璧!
レンジ相場の環境認識で最も大切なことは、意識される高値と安値が存在していること。
なぜなら、基準となる高値と安値によって上下に空間が作られることによってレンジになるから。
トレンドが発生していないことは当然ですが、まずはこの高値と安値をはっきりと見極められるようにしましょう。
また、レンジには次の3つがあり、それによってアプローチも変わってきます。
- 上昇トレンド下での保ち合いとしてレンジ形成
- 下降トレンド下での保ち合いとしてレンジ形成
- ノントレンド下でのレンジ形成
では、執行時間足が1時間足の場合として解説していきます。
①&②トレンド下での保ち合いレンジの場合
まず、①と②のように上位足でトレンドが発生している場合、そのトレンドと同じ方向で仕掛けることが鉄則。
上位足のトレンドと逆の方向に仕掛けること自体が、戦略の優位性を低くしていると理解しましょう。
レンジ相場だと分かっているからといって、単純にレジスタンスラインに近いから売る、サポートラインに近いから買うという安易な判断は絶対にやめること。
あくまで上位足のトレンド方向を背にすることで、下位足で逆張る優位性があるということをしっかりとルールに入れましょう。
③ノントレンド下でのレンジの場合
日足、4時間足でトレンドが発生していない中でのレンジ相場の場合は、基準となる高値を背にしたショート、基準となる安値を背にしたロングはともに優位性があります。
しかし、その場合には、背にするサポートラインとレジスタンスラインの鮮度を見極めなくてはなりません。
ラインの鮮度と寿命
この記事で詳しく解説していますが、
ラインには鮮度と寿命があります。
誰もがその高値と安値をレンジの基準価格と共通認識しているということは、もうその時点でそこに引かれている水平線の優位性は大きくはありません。
その場合には、ラインをブレイクしてからのロールリバーサルを狙った戦略に切り替えた方がベター。
間違っても、ブレイク狙いのエントリーはやらないこと。
直近価格優先の原則
脳の記憶構造は、直近で真新しいものに反応するように設計されており、10日前の安値より5日前の安値、5日前の安値より昨日の安値というように、時間的に新しく、価格的にも新鮮な価格を無自覚的に意識します。
つまり、レンジ内に基準となりそうな安値が複数存在する場合には、直近の価格を優先して戦略を練った方がベター。
レンジ相場の環境認識・具体的なエントリータイミングの図り方
レンジ相場の環境認識の最後に、具体的なエントリータイミングの図り方をお話します。
レンジ戦略自体の根本的な考え方は、価格は平均に回帰するということであり、基準となる高値と安値が行き過ぎた価格の目安となってレンジに中央に反発して戻ってくるというもの。
ということは、基準となる高値安値に到達してからの滞在時間は短いと考える方が自然で、エントリータイミングも非常にシビアになってきます。
1時間足が執行時間足で買い戦略の場合を例にすると、共通認識性が高いサポートラインを割る急落がありました。
そこですぐにエントリーするのではなく、1時間足か30分足が確定するまでじっと待つことが非常に重要なポイント。
そして損切りは、確定した1時間足or30分足のすぐ下を目安に設定します。
具体的には、前の足が確定してから次の足が更に下ヒゲをつけるために一旦下げることを確認してから、そのすぐ下にストップを設定するといった感じです。
利確目標は、セオリーでいけばレンジ中央付近ですし、上位足の環境条件が揃っているのであればレンジ上限まで引っ張ってもいいでしょう。
また、順行したらすぐに建値トレールし損失を回避することもポイント。
まとめ
レンジ相場の環境認識と高勝率で高リスクリワードのエントリーポイントについて解説してきました。
どの時間足を主戦場としているかに関わらず、レンジ相場が日常的なものである以上、自分のものにできればトレーダーとしての力量は大きくアップします。
また、レンジ相場特有の値動きも非常にシンプルであり、押し目がどこかを探る押し目買いよりも難易度は格段に易しいですから、今回の内容をもとにぜひ実践してみてください。
多少の失敗で苦手意識を持つのではなく、貪欲に技術を磨く姿勢を持って相場と向き合っていきましょう。