「あのチャートパターンでエントリーしているのに全然勝てない・・・」
ネットや書籍に載っているチャートパターンを覚え、その形を探してトレードしているものの全く勝てないという人は多い。
それもそのはずで、チャートパターンという形に意味があるのではく、そのチャートパターンが形成された流れ、場所、他の時間足との関係、時間帯などあらゆる要素が複合的に作用しモメンタムが発生する構造的背景を理解できていなければ勝てるわけがない。
この記事では、チャートパターンを追い求める罠にハマってしまっているあなたのために、勝てるようになるためのチャートパターンの考え方などを余すことなくお話していきますので、ぜひ参考にしてください。
チャートパターンは環境認識ができてこそ意味を持つ
まず結論からお話すると、チャートパターンは環境認識ができてこそ利益に繋がるということ。
表面的な丸暗記は全く意味をなさず、その考えでは永遠に相場にお金を流し続けることになります。
そもそもチャートパターンとは、一定の傾向がある値動きを相場参加者が共通認識しやすいように名前がつけられただけであって、その形に意味があるわけではありません。
最も分かりやすい例でいえば、天井圏での逆三尊、底値圏での三尊などに意味を持たせようと解説する人もいますが、それはまるでバッターボックスに卓球のラケットを持って行けと言っているようなもの。
冒頭でも触れましたが、チャートパターンは1つの時間足で見たとしても、それが形成された流れ、場所、時間帯などの条件が整ってはじめて意味を持ちます。
更にそこに上位足の環境が加わり、下位足の状況を見ることでいつ動き出すのかが分かってくる。
私が運営する講座でメンバーに言っていることは、全体を全体として捉え調和することが大切だということ。
複数時間足によって相場が構成されている以上、あくまで全体の中での意味を見出す力が求められます。
「この形を覚えましょう」と説く指導者がいるのなら、それは非常に危険な気がしてなりません。
チャートパターンが環境認識で意味を持つ場面の具体例
次に、ある一つのチャートパターンが環境認識によって意味を持つとはどういうことなのかを、代表的なチャートパターンであるへッドアンドショルダーを使って解説していきます。
まず大前提として、へッドアンドショルダーが機能する理由は、押し目買いで捕まった買い手の損切り注文こそが下落が加速する燃料ですよね。
つまり、そもそもの前提となる押し目買い自体に買い注文が総体的に入っていなければ、大きな下落とならないわけです。
この意味をイラストで確認しましょう。
ということは、上昇トレンドの天井圏で形成されたへッドアンドショルダーにこそ最も優位性があることが分かりますよね。
ただ単に、その形だけを追い求めていては意味がないということが、しっかりと理解できたのではないでしょうか。
チャートパターンと環境認識の最大のポイント
最後に、チャートパターンと環境認識の最大のポイントについてお話します。
まず結論からお話すると、最大のポイントとはあなたが採用するチャートパターンを固定すること。
つまり、ヘッドアンドショルダーをやるからリバースへッドアンドショルダーもやる、ダブルトップをやるからダブルボトムをやる、のではなく、売り買いのどちらか一方に限定してチャートパターンを採用しましょう。
売りと買いのどちらかに限定する最大の理由は、価格という縦軸で見た時に売りの下落と買いの上昇は描く軌跡が異なるから。
これは重力の例が分かりやすいのですが、物体を持ち上げるには時間がかかりますが、物体を落とすのは持ち上げる時の何倍もの速さで落ちていきますよね。
人の身体も同じで、筋力トレーニングも筋肉量を増やし肥大させることには時間がかかりますが、サボって落ちるのは早いでしょう。
つまり、この世界の普遍的な原理原則として、上がるよりも下がる方が早いわけです。
チャートもこれと全く同じで、上昇する時間よりも下落する時間の方が早いのは、あなたの実体験としてもよく分かっているはず。
当然、全てがそうではなく、時には爆上げのようなことも起こりますが、総体的には下げの方が横軸を使わずに価格は推移していきます。
これを踏まえて、チャートパターンも一見同じカテゴリーとして認識されているへッドアンドショルダーとリバースヘッドアンドショルダー、ダブルトップとダブルボトムも動きの性質が異なることがよく分かったのではないでしょうか。
だからこそ、売りと買いのどちらか一方に限定した方が、あなたが採用したチャートパターンを極める上では非常に有効なんですね。
まとめ
チャートパターンは、環境認識ができてこそ意味を持つということをお話してきました。
何より形だけの丸暗記は、勤勉な日本人は特に陥りやすい罠ではないでしょうか。
どんなことであっても、その意味や理由を自ら見出そうとする姿勢が本当に大切で、それは誰かからの受け売りでは決して身につきません。
形として認識しているチャートパターンを、今一度、その背景で起こっている値動きとの因果関係を紐解いてみましょう。