「デイトレでもスキャルでも環境認識が重要なことはよく分かっているものの、マルチタイムフレーム分析となると頭が混乱してしまうんだよな・・・」
恐らく、環境認識におけるマルチタイムフレーム分析の本当の使い方について理解している人の割合は、圧倒的に少ないのが現実でしょう。
また、デイトレという言葉自体は、株を売買するトレーダーに好まれている印象がありますが、そのトレードスタイル自体は、株、FX、仮想通貨のジャンルに関わらず、チャートを用いて取引するものであれば普遍的に機能しますから、この機会にしっかりと勉強してください。
この記事ではデイトレの環境認識として、マルチタイムフレーム分析を具体的にどのように実践していくのかということをどのブログよりも詳しく解説していきますから、ぜひ参考にして頂き、あなたのトレードに活かしていきましょう。
デイトレの環境認識・セットアップの分類
デイトレの環境認識をマルチタイムフレーム分析で行う上で、前提となる考え方をお話すると、各時間足を次のように分類しチャートから情報を捉えます。
区 分 | 時間足 |
---|---|
マクロセットアップ | 月足・週足・日足・4時間足 |
ミドルセットアップ | 1時間足・30分足 |
ミクロセットアップ | 15分足・5分足 |
エントリータイミング | 1分足 |
デイトレ、スイング、スキャルピングなどがトレードの大きなカテゴリーですが、その厳密な線引きはなく、トレーダーそれぞれの時間に対する概念によって認識されているのが実際のところでしょう。
私自身の認識としては、デイトレという概念のメインとなる時間足は1時間足と30分足だと捉えていますので、それに基づいて解説していきます。
マクロセットアップ MN/W1/D1/H4
大局的な判断の根拠であり、何よりミドルセットアップで形成されたパターンの確度を推し量る上で必須の時間足。
月足レベルになると時間経過の感覚がかなり遅くなりますが、日足1本に内包されるローソク足の数本を抜き取るデイトレであれば、週足の環境条件は非常に重要。
また、月足、週足、日足で引ける共通認識性が高い水平線の優位性は非常に高いため、小手先だけの手法を追い求めるのではなく、まずはその水平線でのプライスアクションを徹底的に意識してみましょう。
ミドルセットアップ H1/M30
いわゆるデイトレーダーの主戦場となる時間足で、各文献に目を通しても世界中のデイトレーダーが最も注目している時間足と言われている。
この時間足で形成されたチャートパターンに対し、上位足の環境条件を精査し、さらに下位足の15分足と5分足でエントリーしていくためのセットアップを見極めていきます。
また、ロンドン市場が開場してからの1時間足が確定する前後のプライスアクションは、その後の値動きの行く末を見極める上で非常に重要な節目であるため、私も特に注目しています。
ミクロセットアップ M15/M5
ミドルセットアップが整ったからといってチャートがすぐに動き出すわけではなく、15分足や5分足でのセットアップが整うことで動き出しのタイミングが近づいてきます。
また、ミドルセットアップが機能するのかしないのかの可能性を予見する上で、その境界線をギリギリまで見極めるためにも非常に重要な時間足。
ただし、15分足、5分足に意識が傾き過ぎることによって視野が狭くなってしまい、大局的な判断を見失わないように注意しましょう。
エントリータイミング M1
マクロセットアップから始まり、ミドルセットアップ、ミクロセットアップと落とし込み、いよいよ具体的に「いつ動き出すのか」を見極めていきます。
ただ、リスクリワードを極限まで上げるトレードを求めていなければ、ハッキリ言ってここまでやる必要はありません。
執行時間足とストップロス設定位置の関係についてのイラストを見てください。
1時間足以上の単一時間足でトレードする場合
執行時間足は1時間足だがストップを1分足まで絞り込む場合
デイトレということなら、1時間足か30分足で形成されたセットアップの基準となる価格にストップを置けばいいですし、スイングなら同様に日足か4時間足で形成された基準となる価格にストップを置けばいい。
しかし、少額の資金をレバレッジをフル活用して効率良く増やしていきたいのであれば、高精度なマルチタイムフレーム分析は必須であり、この時間足ごとのカテゴライズはそのためにあるということを、一度じっくり考えてみてください。
執行時間足は上位足であるものの、ストップ幅は1分足レベルで絞り込む技術というのは、あなたが想像している以上に強烈ですよ。
私のトレードスタイルは、ブログ内のnoteへのリンクを辿ってもらえれば確認できますが、少額を一度のトレードで数倍にしながら資金を爆発的に増やしていくトレードスタイル。
そして、そのトレードスタイルの源泉となっているのが、まさにこの高精度なマルチタイムフレーム分析なのです。
では次に、この分類を踏まえたデイトレの環境認識の具体的な流れをお話していきます。
デイトレの環境認識・MTF分析の流れ
デイトレの環境認識にマルチタイムフレーム分析を取り入れる上で理解しておくべきことは、全ての時間足にはその時間足を主戦場とするトレーダーが必ず存在し、そのほぼ全てがダウ理論をベースにチャートを認識している以上、必然的にどの時間足でもダウ理論は機能するということ。
つまり、各時間足でダウ理論が機能する節目をマルチタイムフレーム分析によって見極めていくんですね。
では、イラストを見ながら解説していきます。
デイトレの場合、執行時間足となる1時間足で形成されたチャートパターンが、上位足のどういう環境下で形成されたかのかが最も重要となり、それを踏まえてミクロセットアップによってエントリータイミングを見極めていきます。
このように執行時間足に対する上位足と下位足の分析を往復しながら、それぞれのセットアップを相互補完的に調和しセットアップの確度を図っていくことが、本当のマルチタイムフレーム分析です。
①執行時間足で採用するパターン形成を確認する
②上位足での環境条件を把握する(マクロセットアップ)
③下位足でエントリータイミングを見極める(ミクロセットアップ)
まとめ
デイトレの環境認識を高精度で行なっていくためには、日足や4時間足で明確な方向が定まったことを見極めてから、順を追って更に下位足でエントリータイミングを図っていくことが最も合理的ですし、そうすることでリスクリワードを上げながら勝率も落とさないトレードが可能になります。
結局、どの水準のトレードを実現したいのか?は人それぞれですし、絶対的な正解は存在していません。
しかし、少なくとも資金量が限られた中から利殖する必要があった私自身は、何にも優先して技術を磨きながらレバレッジを最大限に活用できる方法を模索した結果、現在のトレードスタイルを生み出しました。
少額資金であるにも関わらず、リスクを総資金量の割合1〜2%でトレードを続けた場合、あなたが満足する程に稼げた頃には、子供は成人し孫がいる年齢になっているでしょう。
このマルチタイムフレーム分析は、デイトレに限らず、スイング、スキャル、更には株、仮想通貨など普遍的に機能する技術であるため、トレーダーとしての足元を固めるのであれば必須のスキル。
当たり前を当たり前で終わらせることなく、日々、問題意識を持ちながら技術を磨き、環境認識の技術を磨いていきましょう。